皆さん、こんにちは。講師のにゃん次郎です。さて、第7回目の今回ですが、「特定口座とNISA口座」について学んでいきます。
今回もよろしくニャン。
証券口座の種類
スモーク君、上場している企業の株を買うには、証券会社に申し込みが必要ということは前に学んだ通りですが、当然、株を買うにはお金が必要となりますね。
そうニャン。
では、そのお金の準備ができ、株を買おうとした場合に、そのお金をどうやって証券会社に渡せばいいでしょうか。
う~ん、その会社にお金を振り込むとかかニャン?
正解です。その証券会社が指定する銀行口座に振り込むことになります。ただ、株を売買にするためには証券口座がないと取引することができないため、流れとしては、まずは証券会社に証券口座開設の申し込みを行い、その証券口座が開設したあとに、証券会社が指定する銀行口座に振り込むということになります。
なるほどニャン。そうすると、証券口座を作っていないのに、証券会社が指定する銀行口座にお金を振り込んでも取引ができないということなんだニャン。
当然、その通りですね。ちなみにその証券口座には「一般口座」「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」があり、この中から必ず一つ選択する必要があります。
なお、2014年から新たに「NISA口座」がスタートしましたが、こちらは必須ではありません。
またNISAという言葉が出てきたニャン・・・。
そうですね(笑)。では、ここからはそれぞれの口座の意味について説明していきますが、これらの違いを平たく言うと、前回に学んだ株にかかる税金の処理を自身で行うのか、それとも証券会社にやってもらうのかという違いになります。
そして、さらにオプションとして税金のかからないNISA口座を作るのかということになります。
なお、そのうちの「一般口座」に関しては、ほぼ選択するメリットがないため、最後にさらっとだけ説明します。
了解ニャン。
特定口座(源泉徴収あり)
では、スモーク君。復習ですが、株にかかる税率は何%だったか覚えていますか?
20.315%ニャン!
正解です。では、その税金はどのようにして納めればいいと思いますか?
税金のことは苦手でよく分からないニャン。
確かに税金は複雑な部分が多いですが、スモーク君、そこは安心してください。
実は特定口座(源泉徴収あり)を選択して、証券口座を開設すれば、証券会社が全て計算も納税もしてくれるので、確定申告も不要であり、仮に確定申告したとしても配偶者控除や扶養控除といった所得基準にも合算されることはありません。
それは便利ニャン!
そうですね。当講座でもこの方法で口座を開設することを推奨しています。
一応、デメリットとしては、本来、給与所得者あるいは年金所得者の場合、年間20万円以下の副収入については、住民税を除き、申告・納税(確定申告)は原則不要ですが、それにも関わらず、税金が引かれてしまうという点です。
年間で20万円以上の利益を出すつもりなので、私はこの方法でいいニャン。
スモーク君、なかなかの意気込みですね(笑)。ただ、前回の回にも言いましたが、年間を通して損失が多く、マイナスになっている場合については、確定申告をして、その損失を翌年に繰り越しておくのがオススメです。
損失を出すことはあまり考えたくないニャン。そうなったら、その時に考えるニャン。。
・・・・。
特定口座(源泉徴収なし)
では次に特定口座(源泉徴収なし)についてみていきますが、スモーク君はこれをどういう意味だと想像しますか?
源泉徴収なしとあるから、徴収されないということかニャン?
うーん。半分正解ということにしましょう。正確にいうと、証券会社が損益の計算までは行うけれども、税金までは徴収しないということになります。
そうなると、税金を自分で別途、納めないといけないということになるニャン。
その通りですね。なお、先ほども言ったように、年間20万円以下の副収入については、住民税を除き、申告・納税(確定申告)は原則不要であり、それがこの方法を選択するメリットといえますね。
ただ、20万円を超えているのに確定申告をしないと脱税となるほか、源泉徴収ありの場合とは異なり、申告することによって配偶者控除や扶養控除といった所得基準にも合算され、さらには国民健康保険料の金額にも影響を及ぼすことがあります。
それはなんだか面倒ニャン。
もちろん、どちらを選択するかは人それぞれとはなりますが、当講座では、そのような複雑化を避けるという意味でも、証券会社が全てをやってくれる源泉徴収ありを推奨しています。
なるほどニャン。
NISA口座
では、次にNISA口座についてみていきますが、スモーク君、NISAの意味を覚えていますか?
少額投資非課税制度という言葉だけしか分からないニャン。
正解です。なお、前回はその中身にまでは触れていなかったので、ここでNISAについても説明します。
まず、NISAは2014年1月からスタートした比較的新しい制度で、非課税の投資枠が設けられており、現在においては毎年120万円(最高累計600万円)までとなっています。
その範囲内で購入した株に関しては、配当金や売却益が出た場合でも20.315%が引かれることはありません。
お得そうなのはなんとなく分かるけど、少し複雑ニャン。
分かりました。では、実際に例を挙げてみてみましょう。株価1,000円のA社の株をNISA枠を使って100株購入し、これが数か月後に1500円まで上昇したので売却しました。
そうすると、NISAを使っていない場合は売買差分の50,000円に20.315%が引かれた金額が売却益となりますが、NISAで買った分については税金は引かれず、そのまま50,000円を利益として受け取ることができます。
ちなみに配当金も同様であり、1株15円がでる企業の株を100株持っている場合には、そのまま1,500円を受け取ることが出来ます。
それはお得ニャン。
その通りですね。株価が上昇すればするほど、お得になるので、できるだけ株価が安いうちにNISA枠で買っておくのが当然よいということになりますね。
ちなみにNISA枠は利益が出た枠ではなく、購入できる枠なので、その年ごとに限度いっぱいまで買っておくのがオススメです。
利益が出た枠ではなく、購入できる枠っていうのは、どういうことニャン?
先ほどの例を使うと、株価1,000円のA社の株を100株NISAで買ったので、まだNISAで購入できる枠が110万円分残っています。
この残っている枠の金額は、あくまでも購入できる金額のことなので、例えばA社の株が5倍、6倍など大きく値上がりして何十万円の利益が出たとしても、残りの枠には全く影響ありません。
なるほどニャン!でも、120万円も株は買わないニャン。使わなかった枠はどうなるニャン?
翌年になるとまた新たに120万円分の枠が設定されますが、余った分が繰り越しになることはありません。
そのため、もし120万円分の株を購入する予定がないという場合には、そのまま買って放置するのではなく、NISA枠がなくなるまで下記の例のように売買を重ねていくのがよいと思います。
【例】(NISA口座内)
・5月1日 株価1,000円のA社の株を100株購入 ※NISA枠残り110万円
5月10日 株価が1,200円まで上昇したので売却し、2万円ゲット
・5月15日 株価1,000円のA社の株を100株購入 ※NISA枠残り100万円
5月20日 株価が1,100円まで上昇したので売却し、1万円ゲット
・5月30日 株価800円のB社の株を100株購入 ※NISA枠残り92万円
8月20日 株価が1,500円まで上昇したので売却し、7万円ゲット
・8月21日 株価2,000円のC社の株を100株購入 ※NISA枠残り72万円
9月30日 株価が2,500円まで上昇したので売却し、5万円ゲット
・10月5日 株価800円のB社の株を200株購入 ※NISA枠残り56万円
10月20日 株価500円まで下落したので損切りし、-6万円・・・
NISA枠があるうちは、NISA枠で売買したほうがよさそうニャン。
そうですね。ただ、この辺をどうするかは人それぞれの戦略になってきます。毎年増配するような確実に配当がもらえそうな成熟した会社の株をNISAで購入して放置する人もいれば、私のように配当よりも大きな値上がりによる売却益を狙って成長株をNISAに入れる人もいます。
色々と戦略が考えられそうニャン。
少しNISAについての説明が長くなってはしまいましたが、このようなNISA枠を使って取引するために必要になるのがNISA口座となります。
そういうことだったのかニャン。それならNISA口座も一緒に開設したほうが断然いいニャン。
まさにその通りですね。なお、NISA口座は特定口座とは異なり、一人一口座までしか作れないため、どの証券会社で開設するかが重要となってきます。この点については次回の内容で学んでいきます。
分かったニャン。
一般口座について
では最後に一般口座についてですが、一般口座とは、損益計算も納税も全て自分自身でしなければならず、個人投資家にとってはほとんどメリットがないといっても過言ではありません。そのため、ここでもこれ以上は触れません。
そろそろ疲れてきたので、ちょうどよかったニャン。.
本日は少し長くなりましたね。今回はこれで終わりとなりますが、質問は特にないですか?
ないニャン。
では、次回はいよいよスタートラインともいえる「ネット証券の口座を開設しよう」について学んでいきます。本日はお疲れ様でした
お疲れ様でしたニャン。