株式テーマ「検温サーモカメラ」
皆さん、こんにちは。当サイトを運営している管理人のせんせーです。今回から本格的にコロナ時代の株式テーマを展望していきます。
さて、今回展望する株式テーマですが、「検温サーモカメラ」です。
日本政府は2020年5月14日に47都道府県のうち、39県で緊急事態宣言を解除し、コロナと共存していく道を選択しました。なお、この動きは日本だけでなく、隣国の韓国やまだ決して感染が収まっていない欧州やアメリカでも同様にみられています。
ただ、「新しい生活様式」とも言われるように、コロナ前の時代に戻るというわけではなく、経済活動に関しても、様々な対策や制限の中で行われていくことになります。
なお、そうした対策の中で必ずといって登場してくる用語に「検温」があります。ロイターの記事検索の期間を2020年5月17日時点から過去1ヶ月に絞り、「検温」と検索すると該当記事が46件、日経新聞でも同様の方法で記事検索を行うと103件の記事がヒットします。
実際に検索していただくと分かると思いますが、例えばロイターの記事をもとに、世界の動きの一部をみてみると、4月20日にアマゾンが倉庫でサーモカメラを導入、5月9日にホンダの工場が北米工場で再開に伴う対策として検温対策を導入、5月11日に米航空業界団体が乗客乗員の検温実施に支持表明、5月17日にMLBの再開に向けたロードマップに検温を含めた取り組みをMLB選手会側に提示など、様々な記事が出てきます。
一方の日本経済新聞から日本の検温の動きもみてみると、4月15日に新千歳空港が国内線到着ロビーにサーモグラフィーによる検温を開始、5月11日に複合レジャー施設を運営するラウンドワンが全ての客に検温を実施した上で一部店舗を15日に再開、同じく5月11日にユニクロが入店時に全員に対して検温を行って対策をして順次再開、5月15日にトヨタが6月11日に開かれる株主総会の来場者に対して検温を行うことを表明など、こちらも様々な記事がでてきます。
今後、スポーツをはじめとするイベントが開催されるようになれば、来場者に対して検温を行うことはMLBの動きをみても容易に想像できますが、どう検温していくかを考えた時、一人一人に温度計を使って検温するというのは、当然ながら衛生面や感染リスクを考えると選択肢にすらならないでしょう。
そうなってくると、非接触で多くの人を検温できる「検温サーモカメラ」がその役割を果たす選択肢として浮上してきます。
ちなみに4月9日にロイターが発表している記事では、「検温サーモカメラ」の需要が急増して供給が追い付かないという内容や、4月30日にもアメリカのアマゾンが禁輸措置対象の中国の企業から検温カメラを購入といった内容まで出ています。
これらの記事を踏まえると「検温サーモカメラ」はコロナ時代において、外すことが出来ない株式テーマであるといえ、今後ますます注目を集めていくのではないかと思われます。
検温カメラの関連銘柄5選
では、今度は株式の観点で「検温サーモカメラ」の関連銘柄を5選紹介していきますが、株価と時価総額は2020年5月15日時点です。
・エコモット(3987・東証マザーズ) 株価:1,031円 時価総額:約53億
2020年4月15日にAI顔認識と高機能サーモグラフィーカメラを用いて、最大16人の体温を同時に測定することが可能なスクリーニングソリューションである「サーモロイドPro」の提供を開始し、地元の新千歳空港にも既に採用されています。1式2,650,000円(税抜き)であるため、決して安くはないですが、大株主がKDDIということもあり、KDDIを通した製品の展開にも期待できます。
・コニカミノルタ(4902・東証一部) 株価:368円 時価総額:約1,850億
コニカミノルタグループであるドイツのMOBOTIX社製のM16サーマルというサーマルカメラを扱っています。同製品は可視画像センサーとサーマルセンサーを兼ね備えており、人だけでなく物の表面温度についても可視化が可能で、録画機能もついています。
・正興電機製作所(6653・東証一部) 株価:863円 時価総額:約109億
2020年4月1日付でAI顔検出機能搭載かつ最大30人同時で測温が可能な検温サーモカメラの販売を開始したことを発表し、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染防止対策に効果が発揮できるとしています。同年5月13日の日本経済新聞にも取り上げられましたが、サーモカメラのみは20万円から、ソフトを使ったタイプは70万円からとしています。
・ザインエレクトロニクス(6769・東証JASDAQ) 株価:935円 時価総額:約115億
2020年2月21日付の適時開示にて、最大で16人の体温を非接触で同時に検知可能なAI顔認識ソリューションをリリースしています。また同年4月23日にも、マスクを着用していても顔認識・体温検知可能なゲート型のAI顔認証ソリューションを販売することを発表しています。ちなみにその発表の中で、2月20日付でリリースした検温ソリューションは、オフィスビルや病院、工場、建設現場など、多くの場所で導入され、高い評価を受けているとしています。
・日本アビオニクス(6946・東証二部) 株価:1601円 時価総額:約45億
従来から赤外線サーモグラフィを用いた体表温スクリーニングシステムを提供していますが、2020年3月25日に株式会社フューチャースタンダードと赤外線サーモグラフィと顔認証AIにより、多人数の発熱を監視して検温の記録も保存ができる「感染症対策ソリューション」の共同開発を開始したことを発表しています。また同年年5月15日付で発表された2020年3月期の決算短信の中でも、赤外線機器が新型コロナウイルスの感染症対策として発熱者をチェックするスクリーニングの需要が高まったとし、工場やホテル、データセンターからも多くの問い合わせがあると記されています。
それでは今回のコロナ時代の株式テーマを展望する会は、これでお開きとさせていただきます。